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2012年07月12日

トイレッツ(2)

KK実験室管理者の師匠の一人である松本先生のトイレッツ研究が記事になっておりました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1207/12/news045.html

トイレッツは、昨年11月にセガが発売した立ち小便ゲームで、男性用小便器に取り付け、広告を表示しながら、尿の勢いや尿量で遊ぶゲームです。
以前、トイレッツ開発記事の感想を書いた事があります。
男性ならトイレッツでゲームをやった事なくても、何となく内容が想像出来るし、居酒屋のトイレにあれば一度はやってみたいと思うはずです。


男性の尿意切迫感、頻尿や残尿感といった症状を「年のせいだから」とか「恥ずかしいから」といった理由で放置してしまう人が多いと思います。
泌尿器科医や看護師さんがたまに開催する市民公開講座を開いたり、外来での患者指導だけしてもたかが知れています。
排尿症状で困っている方を掘り起こしていくには限界があります。

松本先生の研究は「トイレッツ」を『「泌尿器科に行けばその症状は軽くなるかもよ」という啓発活動』につなげた画期的な研究です。

トイレッツは尿の量や排尿のスピードの概算を測定することができます。
泌尿器科外来で行われるウロフロー(尿流測定)の簡易版です。(トイレッツのデータは医療では使用できません)

<以下引用>
調査結果では、トイレッツによって、少なくとも8割の人々が客観的に自分の尿の量を把握。3割の人々が排尿の異常を意識することができたのではないかと分析している。(中略)また、「トイレッツを体験して、一度、自分の排尿状態をきちんと検査しようと思いましたか」という質問に、「はい」と回答した人は77.8%で、トイレッツが泌尿器科受診への啓発につながったと結論づけている。


本文中では松本先生も真面目にコメントされております。
KK実験管理者は一見笑える内容をアカデミックなレベルまで引き上げる松本先生を敬服しております。

さらに、最新号の排尿障害プラクティス(20巻2号.2012,86-91)にも論文で掲載されておりました。
松本先生、オソロしや。


タグ :トイレッツ

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Posted by KK実験室 at 16:02│Comments(2)トイレ
この記事へのコメント
松っちゃん。さすがですね。やはり排尿は本人しかわからないので、それが異常かどうか、衰えているかがわかるといいと思います。私自身、知り合いや患者さんで全く自覚していないのに、偶然尿流測定を行ったら、尿道狭窄や神経因性膀胱を発見した経験があります。まずは日本人のノモグラム(多分前旭川医大教授の八竹先生のものを引用すると思いますが、)レベルをどのように区分けするかが楽しみになります。)また、排尿量との関係も重要かな?
Posted by kahonda at 2012年07月13日 08:24
排尿障害の自覚を促すツールとして調査し、それを論文にまで完成させ、マスコミにも取材される。さすがですよね。記録にも記憶にも残る研究。
Posted by KK実験室 at 2012年07月13日 16:55
 
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