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2012年02月17日

泌尿器科コンサルト

昔、KK実験室管理者が大学を卒業した時は、今の様に各科をローテーションする事なく、行きたかった科の医局に即座に所属して働いてました。

内科や外科や産婦人科や皮膚科に患者さんの問題点の相談・連絡係りを研修医が担ってました。

ダメダメ研修医だったKK実験室管理者は、泌尿器科の看板を背中に感じながら、先方に失礼のない様に、患者さんの情報をしっかり伝えられる様に、気合いを入れてコンサルトしてました。


先日、先輩とお話する機会があり、コンサルトの話題になりました。


「はい、泌尿器科の○○です。」
「ウロ科の○○先生ですか? 研修医の××ですが、△△科のおしっこが出ない患者さんの件で相談なんですが~。」
「残尿があるの?」
「いや~、昨日からチョロチョロ出てはいる様なんですが、、、」
「残尿があるの?」
「寝たきりで、意思伝達が難しい患者さんで~、、、」
「エコーとか、導尿とか、下腹部が張ってるとか、なんか所見は?」
「いや~、、、」
「寝たきりの患者さんで、診察が難しいくらいに足が拘縮してるの。」
「いや~、、、」
「ごめんね、主治医じゃなきゃ分からないよね。聞いたこっちが悪かった。主治医は誰先生かな。」
「一応、僕が主治医ですが、、、」
「いや、いや。患者さんの拘縮があるか無いか、主治医と担当看護師しかしらないよ。主治医と連絡取りたいけど誰先生?」
「いや~、、、」
「ま、さ、か、
あり得ないけど、ま、さ、か、診察しないでコンサルトしてないですよね~?」
「いや~、、、」
「もし、看護婦さんから情報受けて、即座に電話してきたんなら、その素早く仕事を割り振るマネージメント能力は評価するけど、そんな人が診察せずにコンサルトするはずが無いよね?」
「いや~、、、」

という、嫌味な対応をする先輩ドクターをKK実験室管理者は全面的に応援します。

KK実験室管理者はコンサルト大歓迎ですが、いっさい診察せずに、「おしっこが出ない」だの、「血尿が出ている」だの、「フォーレが入らない」だのをコンサルトしてくるドクターを全く信用しておりません。
コンサルト受けて、その雰囲気を感じた瞬間に萎えてしまうか、切れてしまいます。

逆に、ちょっとした診察所見を加えてのコンサルト(「下腹部が張って、押さえると痛がるみたい」だとか、「真っ赤なおしっこに血の塊が混じっている」だとか、「フォーレが15㎝位でつっかえる」とか、本当にちょっとした所見を加えたコンサルト)には全面支援です。

最終的には、患者さんの為に、ダメダメコンサルトにも支援はいたしますが、、、


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Posted by KK実験室 at 01:20│Comments(4)雑記
この記事へのコメント
ありがとう。
うれしいです。複雑なうれしさ。
Posted by 嫌味なドクター at 2012年02月18日 08:01
私も嫌味なドクターを応援しますよ!
Posted by KAZUO at 2012年02月18日 14:19
ほんと、最近ひどいコンサルト多しですね。
最近の若いのはと僕らも言われました。時代の流れで若者の性質もいろいろになるでしょう。自分自身も、わおというような失敗もして、先輩に怒られ、俺らの時はこんなんじゃすまなかったぞと言われたりしました。
でも、以前と今の問題には大きな違いがあるように感じます。僕らの時代にはなかった医療制度自体の問題までが、若者の性質に関与していると思います。
PHS、電子カルテの導入によるeasyな情報取集(これは患者側にも存在します)、そして現在の研修医制度およびDPC制度の下で回転する医療全体にあると思います。DPCによる入院期間制限は、長く入院させると病院がつぶれるため、まわしてまわしてなんぼにしてしまっています。
そして現在の若い医者は最初からこれを教え込まれている...
これは、恐ろしいことです。
今の制度は国の医療費を抑制するために考えられたのでしょうが、今まで赤字であった病院が黒字に転換している状況と医療費の削減をしたい将来に、一致した方向性はあるのでしようか?
Posted by T.K at 2012年02月18日 19:57
みなさま、コメントありがとうございます。

KK実験室管理者が4-5年目くらいで院内PHSが導入され、7-8年目に電子カルテが導入されました。

いつでも(おしっこ途中でもウンコ中でも)電話対応せざるを得なくなった束縛される感が強くになり、PHSを投げ捨てかけた事が何度もあります。

しかしその反面、すっごい便利さを感じたのも事実です。
その便利さがT.K先生がおっしゃるような「PHS、電子カルテの導入によるeasyな情報取集」です。

「easyな情報収集をしている事」を意識しつつ、「実際の診察による真の患者情報」を元に診療なりコンサルトをしていかないといけないですよね。自省をこめながら後輩にも指導して行きます。


医療が進歩するにしたがい、高額な抗ガン剤や分子標的治療薬や免疫抑制剤や糖尿病治療薬がどんどん増えていき、高額なロボット手術が増えていき、ICUやSCUやNICUやHCUのレスピや透析やモニターが進歩し、高齢者が増えて薬を飲む人が増えていき、寿命をすぎた方に胃瘻・膀胱瘻で延命している世の中で、医療費を抑える事なんて到底無理じゃん、とKK実験室管理者は常々考えています。

健康で長生きしたいという人間の欲がある限り、これからも医療は進歩し、医療費は増加して行かざるをえないと思います。

研修医制度やDPC制度が医療費抑制に働くとしても、医療の進歩による医療費増加に対する影響力は微々たるもののはず。
しかも、回転率とベッド稼働率と手術件数で黒字を目指さないといけないDPC制度。

どうしたらいいんでしょう? 今後も時々考えていきます。
Posted by KK実験室 at 2012年02月19日 13:24
 
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