てぃーだブログ › KK実験室のブログ

2012年01月29日

再生医療と老化

ちょっと前に再生医療の勉強をさせて頂きました。
再生医療と言えばIPS細胞が有名で、京都大学の山中先生はノーベル賞候補です。
泌尿器科領域でも以前から骨髄や鼻腔粘膜や脂肪細胞や口腔粘膜から採取した幹細胞を利用するために研究が進められています。
老化や病気や手術でダメージを受けた膀胱や尿道や神経を復活させる事はそう遠い未来ではなさそうです。

何にでも化ける事が出来る幹細胞。
ダメージを受けた脊髄に注射すれば脊髄の神経細胞になり、膀胱に注射すれば膀胱平滑筋になり、尿道に注射すれば尿道括約筋になる細胞が幹細胞です。
病気の場所に直接注射しなくても、点滴で入れれば、病気で弱っている所に勝手に集まって行き、そこに生着し修復してくれる優秀すぎる細胞。
ちょっと優秀すぎて気持ち悪くなります。

将来的には膀胱壁を患者さん本人の幹細胞から作り、それを患者さんに植える治療が出来る様になります。
自分の細胞から作るので免疫抑制剤も不要です。
膀胱癌の手術で膀胱の壁が欠損した患者さんの膀胱を再生医療で修復するなんてことが出来れば、患者さんの苦痛の軽減への貢献ははかりしれません。
尿管狭窄の尿管を再生医療で修復したり、弱った尿道括約筋を幹細胞で復活させて尿失禁を治療したり、膀胱腟瘻の穴を再生医療で作ったパッチで塞いだり。

手術や事故で体の一部が欠損したり弱ったりするのを修復する分野では、再生医療はその力を存分に発揮することが期待されます。


老化と再生医療の関係でちょっと考えてみました。
再生医療を使えば老化の進行を抑えることも出来そうです。
老化して弱った膀胱の筋肉に幹細胞を注射して、膀胱収縮力を若い頃に戻したり出来ると思います。

老化で進行する排尿障害も再生医療で無くなれば、頻尿も尿失禁も残尿もこの世から無くなり、尿路感染症も無くなって、膀胱瘻を作る事もなくなってラッキー。
でも、そんなことになれは泌尿器科医は将来いらなくなります。
KK実験室管理者も生活できなくなってしまいます。

しかし、老化を抑える幹細胞治療が万人に施されたとして、KK実験室管理者の勝手な未来予想は、平均寿命が90歳とか100歳に延びるかもしれないけど、死ぬ前はこれまで通りの老化の経過をたどって亡くなっていくでしょう。

死ぬ前には膀胱の筋肉や神経や血管が弱って行き、残尿が増え、導尿やオムツやカテーテル留置が必要になっていくはずです。

再生医療は老化を10年とか20年先送りすることは出来ても、人生の最終段階の衰えまでは克服できず、排尿障害の老人は存在し続けます。
100歳で死ぬ直前までおしっこを我慢でき、トイレで排尿できて、ポックリ亡くなるという理想的な最後をみんなが迎えられるなんてありえません。

現代医学が進歩していくと、寿命が延びることでさらに老人が増え、排尿障害の治療を受け続ける人が増えていく気がします。
そう考えると、将来はやっぱり泌尿器科医は必要で、今70歳の患者さんにしている治療を100歳の患者さんにしているだけで、やっている事は一緒かもしれません。
根拠なしの未来妄想の中では、KK実験室管理者は将来も泌尿器科医として生きていけそうです。
良かった。  

Posted by KK実験室 at 14:47Comments(0)TrackBack(0)排尿障害

2012年01月25日

膀胱機能って高次機能?

赤ちゃんがこの世に生を受けて子宮で心臓が動きだし、羊水の中で手足を動かし、無事に分娩され呼吸して産声をあげます。
その間の膀胱は勝手な脊髄反射で収縮しておしっこする、いわゆる失禁状態です。

赤ん坊が母親の顔を認識し、四つ足でハイハイして親を喜ばせる位に成長しても、膀胱はまだまだ脊髄反射から逃れられないので、オムツ排尿です。

そのうちに二本足でヨチヨチし始め、「マーマー」や「パーパー」と話し始め、周囲を認識し始めても、まだまだおしっこをコントロール出来ません。

乳母車から卒業し、最終的にトイレトレーニングをして、自分の意思でトイレまで我慢し、トイレでおしっこをする様になります。

体の成長とともに膀胱の働きもどんどん成長していき、大抵は小学校の間でおねしょも無くなります。
学校や外出先でもおしっこを我慢できて、社会的な生活をすごす事が出来ます。

社会的なおしっこが確立するのは生まれてからかなりの時間を要します。
しゃべるより、歩くよりも時間がかかります。


大抵の人は、おしっこで困る事なく青年期、壮年期を過ごします。
たまには手術でおしっこの管を入れてもらったり、抜いてもらったりして、その時の辛かった思い出を飲み会のネタにする程度です。
女性なら膀胱炎でおしっこの大事さを実感するかもしれません。
しかしほとんどの人が毎日おしっこがスムーズに出る事に感謝することも無くなります。


50歳を過ぎた頃から、おしっこで困る事がたびたび起こる様になります。
前立腺肥大症や過活動膀胱です。
老化に伴って真っ先に弱ってくるのはおしっこだったりします。
(性機能障害が老化現象の一番の初期症状という話もあります。)

高齢化してきて、腰がまがったり脊柱管狭窄症になったり、脳梗塞やくも膜下出血で神経障害が出て神経因性膀胱も増えていきます。
そこら辺から頻尿や尿失禁や排尿障害で本格的に困る様になっていきます。

歳を取って足腰が弱り二本足で歩けなくなり、寝たきりになり、排尿筋低活動になると残尿を減らす薬や間欠導尿といった治療が施されます。
しかし、膀胱機能や排尿反射がとうとう限界に達すると、薬では力足らずになってオムツやカテーテルが必要になります。


一番時間をかけて成熟し、一番早く衰えていくおしっこ。
構造がシンプルな機械はすぐ作られて、長持ちするけど、精密機械は作るのに時間もかかり、一番早く壊れていくのに似ています。
おしっこしたり我慢したりって、恐ろしく高次元な機能じゃないだろうか?  

Posted by KK実験室 at 17:49Comments(6)TrackBack(0)排尿障害

2012年01月11日

ファンキー盆踊り

ヤバい、むっちゃ楽しそう。
本当にたまたま見つけたファンキー盆踊り動画。

☆おん祭☆美濃加茂市 2010 盆踊り ダンシングヒーロー Bon festival dance 2


老若男女、外人さんも酔っぱらい未成年も無表情のおばあさんも皆でノリノリですぜ。
しかも、みんな振り付け完璧。

1月に盆踊り情報ってのもどうかと思いましたが、今年一番のノリノリ動画に負けて投稿。  

Posted by KK実験室 at 20:32Comments(0)TrackBack(0)雑記

2012年01月05日

開運しゃもじ

 明けましておめでとうございます。

日本三景・安芸の宮島の「開運しゃもじ」をいただきました。
しゃもじは「幸せを召し取る(飯取る)」として有名だそうです。

健康、幸福、長寿、絶対合格、商売繁盛、家内安全、必勝、安産、無事息災、金運上昇、良縁成就何でもありです。


まだ5日間しか経過しておりませんが、今年一番の心にヒットです。

今年の目標は「召し取る!!」に決めました。

しゃもじも今年一年間は職場の机に飾っておきます。

今年も宜しくお願いいたします。  

Posted by KK実験室 at 18:13Comments(2)TrackBack(0)雑記

2011年12月29日

寝返りセンサー

十数年前にKK実験室管理者の泌尿器科医の大大大先輩が尿管結石患者さんの寝返り回数を測定する寝返りセンサーを開発し、尿路結石を作りやすい患者さんは寝返り回数が少ない事を発見しました。


腎結石は夜間、寝ている間に作られます。
結晶が尿中に析出し、腎臓で結石の元になる結晶核が出来ます。
結晶核が集まってそれが結晶塊になり、結石まで成長して行きます。

「寝返りが多いと、腎臓内の尿が撹拌されるので核が出来にくく、核が出来ても大きくなる前におしっこでさらっと排出される。しかし、寝返りが少ないと尿が撹拌されず核がどんどん大きくなっていく」 という理論です。

素人同然の研修医であったKK実験室管理者にも分かる理屈で、これぞ研究だ!としびれた記憶があります。



その大大大先輩は沖縄を離れましたが、転勤先ではオムツに電極を入れ、排尿を探知し、それをナースステーションに送るシステムを研究しておりました。

KK実験室管理者は早くこのシステムが実現しないか首を長くして待っております。
実用化されたら、患者ごとの排尿パターンを予測でき、その患者さん毎のオムツの種類や交換頻度も決められるかもしれません。早めにオムツ交換をすることで、おしっこや便でのムレムレや褥瘡汚染を予防できるかもです。
褥瘡を作らなければ、医療資源も無駄に使われる事もなく、介護の手間も軽くなります。



その大大先輩は数年前に体動感知センサーを開発しました。

寝たきりの患者さんは寝返りを打ちませんので、褥瘡が出来たりします。出来たら治療が大変です。

さらに、寝たきりの患者さんは寝返りをしませんので(それ以外にも原因はたくさんありますが)腎結石が出来やすくなります。これも出来たら治療が大変です。

施設外の第三者が患者さんの体動をモニターし、寝返り(体位変換)を促す連絡を介護者にしたり、転倒や転落を早期発見したり。。。
褥瘡予防や転倒転落の早期発見に第三者が介入して行く事で、在宅や施設での介護の負担を軽減させようとする試みをされております。

泌尿器科に治まらない大大大先輩の活躍を陰ながら応援し、次は何を開発してくれるのかワクワクしています。



といった事を、次の記事を見ながら考えておりました。(大大大先輩はこの記事の方とは関係ないと思います。)


http://www.gizmodo.jp/2011/12/post_9815.html
ついに尿で発電するオムツが開発される。もう尿漏れも怖くない。立命館大学。




という訳で、今年はお世話になりました。来年も宜しくお願いします。  

Posted by KK実験室 at 16:46Comments(0)TrackBack(0)雑記