てぃーだブログ › KK実験室のブログ

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Posted by TI-DA at

2013年06月02日

クスケーの話

くしゃみをすると急激におなかの中の圧が上昇し、骨盤底に圧がかかり、尿禁制反射や尿道括約筋が弱っていると尿漏れが起こります。
これが腹圧性尿失禁です。

鼻の粘膜の三叉神経が刺激を受けると、延髄のくしゃみ中枢から各種神経を経由してくしゃみ筋(横隔膜や肋間筋や喉頭筋など)が収縮してくしゃみが起こります。
このくしゃみ筋の収縮がおこる寸前に、腹圧の上昇を察知して骨盤底筋を収縮させて尿道をキュッとしめる反射が存在します。
その反射のおかげで、くしゃみの時に尿漏れが起こらない仕組みになっています。
反射が破綻していたり、骨盤底筋や尿道括約筋が弱っていたら、くしゃみで漏れてしまいます。


で、米国にやって来て、日本から同時期にやって来たM先生と隣の席で動物実験に関する講義(in English)を受けていた時のくしゃみの話です。
(尿失禁のはなしとは関係ありません。)

M先生は風邪気味なのか講義中にくしゃみを何回もしておりました。

M先生のくしゃみのたびに後ろの席の金髪の女性が何か小声で、しかし微妙に聞こえるレベルの独り言をくしゃみの後に言ってます。

「ブ$シュ%$#&」と言っているようないないような。

くしゃみをする度に毎回。

講義の間中ずっと。

1時間の講義で5回は間違いなく言ってました。

「ヘッブション」、間髪入れずに、「ブ$シュ%$#&」てな感じ。

タイミングとしては、江戸っ子の「ヘッブション、こん畜生めぃ!」と同じリズム。


くしゃみの張本人であるM先生は気がついておりませんが、間違いなくM先生のくしゃみにあわせて何か言っています。

くしゃみに合いの手を入れてくれる後ろの席の金髪女性に確認する勇気もないKK実験室管理者は、モヤモヤしたままその講義を終わりました。



M先生のくしゃみの件も忘れて1ヶ月過ぎたある日、日本人のOさんとバスに乗っている時にデジャブが。

Oさんが「ぶぇっくしょんっ」とバスの中でくしゃみをしたら、またもや隣にいる黒人のおばさんが「ブ$シュ%$#&」と唱えました。

Oさんも気がついていませんが、明らかに「ぶぇっくしょんっ、てゃんでぃ!」の「てゃんでぃ」のポイントで、黒人のおばさんが「ブ$シュ%$#&」をぶち込んできます。



「米国におけるくしゃみ後の合いの手」の普遍性を確信したKK実験室管理者がググってみると3秒で判明しました。

米国ではくしゃみの後に「Bless you」と言ってくれているみたいです。

「神のご加護を」みたいな感じ。

こちらの体に気を使ってくれているので、「Thank you」って返事をするべきものでした。



米国に来て意外にホンワカしたいい話だったので、家族に話したら、沖縄でも子供がくしゃみをしたら周りの大人が「クスケー」という風習が昔からあったらしい。

くしゃみの時に魔物(まじむん)に魂を持っていかれないような呪文だそうな。

KK実験室管理者は知りませんでしたが、うちの嫁さんや子供達は「クスケー」を良く知っていました。

うちの長男なんか、クスケーのまじむん物語まで語って聞かせてくれました。



ということで、KK実験室管理者の留学中の小さな目標が決定。

人ごみでくしゃみをして、「Bless you」って言われたら、ニコッと振り向いて「Thank you」とスマートに答える事。  


Posted by KK実験室 at 06:54Comments(0)雑記

2013年04月09日

初アメリカンドライブ

いつの間にか、排尿障害の研究留学で2013年4月2日からアメリカに来ております。

この数日間の生活のセットアップやカルチャーショックなどの苦労話はすっ飛ばして、時差ボケも克服しつつある4月7日に、アメリカンドライブ初挑戦の備忘録です。初心を忘れないため。


慣れない土地でのはじめてのドライブは日本でも緊張するものです。
それが海外の左ハンドル&右側通行のドライブだったので、アドレナリン全開でなかなかのストレスでした。

今回のドライビングでの最大のテーマは当たり前ですが「事故らない」。
絶対に事故らない。
何があっても事故らない。
英語の未熟なKK実験室管理者が事故った日には、目も当てられない悲惨な状況が待っているのは確実です。
渡米直後の家族を路頭に迷わす、なかなかのプレッシャーです。


そんな初めてのアメリカンドライブのための武器は、
・アパートの前任者から購入したホンダCR-V
・小画面でシンプルすぎるアメリカンカーナビ(英語)
・全てのストリート名が読めないくらい細かくぎっしり記載されたアナログ地図(英語)
でした。

イメージのわかないイメトレをしたあとは、愛と勇気だけが友達さ。


(これから苦楽を共にするCR-Vと子供たち)

親の決死の覚悟と、並々ならない不安を察することのできない小学生の子供2人は、自分たちの置かれた状況を理解できずにはしゃいでおりました。


まずは左ハンドルに慣れるべく、車通りの少ないアパートの周りをクルクル5週くらい徐行。
ウインカーとワイパーを何回か間違えつつもコツをつかみ、信号待ちや左折の練習。
家族の気分悪くなってきたところで、覚悟を決めて大通りへ突入。


ドライブ中に注意したことは、アメリカのボスに教わった
・交差点での対向車線(左車線)への迷入
・右側に寄り過ぎて車の右側面こすり
・ウインカーとワイパーの間違い
でした。

それを踏まえてドライブ中に実践したことは、
「右車線、右車線、、、」とつぶやいたり、
「右に寄らない、右こすらない、センターラインから離れない、、」と叫んだり、
「左手ウインカー、左手ウインカー、、」と指差し確認したり、
終始、しゃべり続けながらの運転でした。


(写真は助手席からの撮影です)

ドライブしてはじめて気が付いたことは、
・交差点によっては左折専用の信号機がある、
・住宅街ではSTOP標識(一時停止)が至る所にあって大変、
・道幅が広くなったり狭くなったりして、1車線なのか2車線なのか不安に襲われる、
・Uターンしたい時に、右手でのドライブやバックの切り替えに慣れていないと車の切り返しが大変
などなど、他の気付きはすでに記憶にありません。

今回のドライブでカーナビやマイル表記のスピードメーターを見る余裕はなく、助手席の嫁さんのアナログナビと周りの車のスピードに合わせてのドライブでした。


最終的に、近くのハイランドパークという公園まで行き、子供たちを遊具で遊ばせ、寄り道せずにまっすぐに帰宅。


往復1時間ほどのドライブで夫婦ともどもアドレナリンが枯渇し、その後、嫁さんは寝込んでしまいました。
(嫁さんは時差ボケを克服できていないものとポジティブに捉えております。)

当初の目標である「事故らない」をクリアしたKK実験室管理者は、明日からの行動範囲を広げる自信がつきましたとさ。

皆さん、お互いに安全運転に心掛けませう。  


Posted by KK実験室 at 10:12Comments(2)留学

2013年02月28日

ためしてガッテン

KK実験室管理者のボスが「ためしてガッテン」に出演します。

夜間頻尿についてです。

皆様、ぜひ・ぜひご覧くださいませ。

「おしっこが近い」に潜む危険 なんと心臓がピンチ!?(仮)
2013年03月06日 (水曜) 午後8時 ~ 8時43分


「最近どうもおしっこが近くて・・・」「夜中に何度もトイレに起きてしまう・・・」とお悩みの方は多いもの。でも、ただの「年のせい」とばかり思ってしまっては大間違い! 実は、おしっこが近い人の中に、「心臓の機能が低下」してしまっている人が相当数含まれていることが最近の研究で明らかになってきたのだ。「頻尿」と「心臓の異変」がどうして結びつくのか?その超意外なメカニズムを明らかにするとともに、おしっこから心臓のピンチにいち早く気づくための超簡単な見分け方をバッチリ紹介!
さらに、とってもよく知られた「ある病気」が人知れず体をむしばむことによって、たとえ20代の若い人でも「夜のトイレ」が近くなるという、最新スクープ情報も大公開!「おしっこが近い」をめぐるさまざまな誤解や思い込みを正し、「水分の取り方」から「夜中のトイレを予防する運動」まで、ホントに役立つ情報をまとめてお届けする、頻尿情報決定版!

和田アキ子、笑福亭笑瓶、山瀬まみ


(上記はhttp://www9.nhk.or.jp/gatten/schedule/から番組告知記事から引用させていただいております)  


Posted by KK実験室 at 08:56Comments(0)頻尿

2013年02月23日

ボーコーケーブ

膀胱頸部(ボーコーケーブ)って知ってます?
膀胱と尿道の境目。膀胱の出口。
膀胱の首根っこ。

若い男性であっても尿勢低下を身を持って実感する機会がありますよね。
たまにね。
勃起している時や射精後に排尿する時。
息んで腹圧をかけてもいつもの半分位の満足感しかないあれ。
あれの原因が膀胱頸部です。
おしっこが出にくい時は、「膀胱頸部が閉まっているんだろうな〜」と膀胱頸部の収縮を意識しているKK実験室管理者です。

これまでKK実験室管理者は、射精のメカニズムとして膀胱頸部が閉まって、精液が前立腺部尿道にある精埠から圧出され、あそこら辺の筋肉が律動収縮して出てくると何となく考えてました。
何で膀胱頸部が選択的に収縮するのか不思議でたまりませんでした。
同じ交感神経が支配している膀胱頸部と前立腺部尿道の内、どうやって膀胱頸部だけ収縮するのか。
なぜ逆行性射精が起こらないのか。

本日の講演会で、男性の射精前後の経直エコーの動画を見る機会がありました。
前立腺の血流が増加し、膀胱頸部と前立腺部尿道が収縮し、精液が精嚢から前立腺部尿道に排出され、尿道から圧出されて行くカラードップラー動画。
KK実験室管理者はその動画を見て久々に人体の神秘に震えました。


実際は膀胱頸部だけでなく前立腺部尿道も収縮してました。
すごい内圧の閉鎖空間(膀胱頸部と尿道括約筋の間である前立腺部尿道)に排出された精液は、すごい勢いで尿道側に圧出されて行きました。

決して膀胱頸部が選択的に収縮しているわけではありませんでした。自分の浅はかさを再確認しました。

もっともっと深い神秘が膀胱頸部にはありそうです。


ちなみに、逆行性射精の治療にセロトニンーノルアドレナリン再吸収阻害薬である三環系抗うつ薬が効くのは、膀胱頸部のα1受容体にノルアドレナリンが作用して収縮を促しているからだそうです。  


Posted by KK実験室 at 00:11Comments(2)前立腺肥大症

2013年01月17日

紹介が難しい疾患

ただいま留学準備で紹介状を絶賛書きまくり中のKK実験室管理者です。

OABに抗コリンの方々、BPHにα1ブロッカー+抗コリンの方々、生検済みのPSAフォローの方々、PKのMABで安定中の方々などなど。

泌尿器科以外の先生方にはOABやBPHでPSA低値で症状安定中の方々をお願いしております。

引き受けていただいてくれる先生方に、本気で感謝しています。

ありがとうございます。

泌尿器科を閉鎖して留学に行かせてくれる皆様の懐の深さに感涙の極みです。

マジで、帰国後はご恩返しが出来るように頑張ります。


紹介状記載の嵐の経験から、紹介するのがためらわれる、または、なかなか受け入れていただけない疾患についてちょっと。

・高齢者のPSA高値で経過観察中のBPH
・がっちり全身検索していないMAB中のPK
・定期交換中の膀胱瘻、腎瘻、DJステント(特に寝たきりの方々)
・難治性OAB
・IC
・いろいろ試しているDHIC
・患者さんの希望でちょっとズレた処方をしている場合
・経過の長い慢性前立腺炎様症状
・他の病院でしていない治療をしている場合
・複雑な病院遍歴の場合
・愛着が湧きすぎている場合 etc....

って、書きはじめたらキリがありません。

で、今回のこの経験で感じた事は、「今後、自分に上記の疾患の紹介打診があったら、出来る限り快く受けよう!」です。

開業医や大学病院やバリバリ民間病院ではなかなかフォローが難しい場合がある事はある程度知っています。

今回、紹介元の苦労を実感した経験から、今後は上記の疾患はガンガン受けて行こうと思ってます。

中には明らかに能力が足りない場合や、爆弾疾患も混じっているでしょうが、それを見極めて断る能力もつけつつ、帰国後は出来る限り受けていきます。  


Posted by KK実験室 at 00:31Comments(3)雑記